海外赴任前に行った手続き~銀行口座編~

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2022年にタイに赴任することになったので、銀行口座に関して出国までに行ったことをまとめておきます。

どの銀行が非居住者になっても利用できるのか?

事前にどんな手続きが必要か?

といったあたりが海外赴任が決まった方が気になるポイントかと思います。少なくとも僕が利用した銀行に対して行ったことを記載しておきますので参考になれば幸いです。

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居住者と非居住者について

非居住者は日本の会社の金融サービスを今まで通り使えないことが多々あります。(例:銀行口座を新規開設できない、口座解約させられる、証券を買えない、クレジットカード新規発行できないなど。)

居住者と非居住者の区分について下に国税庁のHPからリンクを張りますが、これはあくまで国税庁の定義です。海外に長期で住む前提で役所に国外への転出届を出し、出国すれば恐らくどこかの段階では非居住者扱いになりますが、正確なところはわかりません。どのくらいの期間住む場合が該当するのか?いつ基準で非居住者扱いになるのか?など、曖昧な部分があると思っています。また、使用している金融サービスの提供会社によって定義が異なることもあるので、必要に応じて各自で調べる必要があります。そのあたりは自己責任でお願いします。

No.2875 居住者と非居住者の区分

非居住者への各銀行の対応

非居住者への日本の銀行の対応ですが、ざっくりと大別するとメガバンクは事前に申請すれば無料or有料で継続して使える、ネット専業銀行は基本解約してください、といった感じです。あくまでざっくりとした傾向を述べているだけなので正確な各銀行の対応は調べてください。

僕が開設していた、もしくは開設した銀行口座の対応は下記の通りです。

銀行非居住者向けサービス非居住者への対応僕の対応
三菱UFJ銀行あり
グローバルダイレクト
継続利用可
※ただし利用するサービスにより
手続き異なる
継続利用中
ゆうちょ銀行なし場合によって継続できる継続利用中
楽天銀行なし解約解約
住信SBI銀行なし解約解約
新生銀行なし解約解約
PayPay銀行なし解約解約
SMBC信託銀行あり継続利用可新規開設

三菱UFJ銀行:継続利用中

三菱UFJ銀行は僕がメインで使っている銀行口座でした。

結論としては日本出国後も継続利用しています。日本円の給料受け取り口座としての利用がメインですが、インターネットバンキングで日本国内送金だけができる状態にもしています。楽天銀行、住信SBI銀行で行っていた振込ができなくなるため、三菱UFJ銀行のインターネットバンキングで日本国内振込をできるようにしています。また、海外銀行口座との入出金はしません。

ちなみに三菱UFJ銀行はグローバルダイレクトという非居住者向けのサービスを用意していますが、こちらは僕は利用していません。利用するとワンタイムパスワードカード等を海外住所まで送ってくれたり、事前登録のない海外銀行口座への振り込み等にも対応してくれます。

グローバルダイレクト
https://direct.bk.mufg.jp/global/index.html

非居住者が三菱UFJ銀行を継続利用するためにはグローバルダイレクトに申し込まないいけないのか否か、という点が疑問だったのでヘルプデスクに電話で確認してみました。

結果としては、海外送金をしない場合はグローバルダイレクトの申し込みは不要とのことでした。

非居住者となった後に日本国内送金(インターネットバンキング)だけはしたいと伝えたところ、事前にやることは下の二つで、どちらもインターネットバンキングから実行できるとのことでした。

・ワンタイムパスワードの発行方式をアプリ版からカード版に切り替え

・登録住所を日本に住んでいる家族がいる住所に変更する


補足すると、三菱UFJ銀行としては海外からのアプリ版のワンタイムパスワードの利用は推奨していないため、ワンタイムパスワードカードへの切り替えを推奨しているそうです。(海外IPアドレスだとトラブルおこるとか?この対応はグローバルダイレクトを申し込んでも同じ)
具体的な手続きとしては三菱UFJのインターネットバンキング等からアプリ版のワンタイムパスワード発行を終了させ、カード版の発行手続きを行います。ただし、切り替え中はインターネットバンキングが使えなくなるので利用予定のある方は注意が必要です。また、ワンタイムパスワードカード発行には1週間程度かかるので出国日から余裕を見て手続きを進める必要があります。

海外送金の観点で見ると、グローバルダイレクトに登録しなくても取引口座を事前登録しておけば海外送金はできるようです。ただし、少なくとも僕の場合はタイの銀行口座は日本出国後に現地で口座開設するため、口座情報が出国前の段階ではわかりません。そのため口座開設後に必要事項を記入した書類を海外から日本の三菱UFJ銀行に対して送る必要があります。書類がネット上で手に入るものならよいのですが事前取り寄せが必要なものがあったら手間がかかるため事前に調べておいたほうが良いでしょう。

一方、グローバルダイレクトに登録しておけば事前登録のない海外銀行口座に出金できますが、グローバルダイレクトに登録した場合は利用料が月額300円かかります。わずかですが出費がかかるのでこちらも慎重に検討した方が良いでしょう。多くの日本人駐在員は日本と海外の両方の銀行に給料が振り込まれるため、日本の銀行口座から海外銀行口座への出金の必要性に迫られることは少ないと思いますが、念のため送金手段は用意しておきたいところです。

僕は後述するSMBC信託銀行プレスティアを海外出金用口座として開設したので三菱UFJ銀行では海外銀行への振り込みは行わないことにしました。

ゆうちょ銀行:継続利用中

ゆうちょ銀行に関しては下記のページに非居住者への対応がやんわりと書いてあります。

https://faq.jp-bank.japanpost.jp/faq_detail.html?id=819

結論、僕は非居住者になっても特に何もせず、継続利用、というか放置しています。

登録住所は最初から家族が住んでいる実家になっており、口座引き落としやクレジットカードの引き落とし口座にも設定していないので特に問題なしと判断したためです。このあたりは自己責任でお願いします。

楽天銀行:解約

楽天銀行をはじめとするネット専業銀行は非居住者になったらサービスを利用できず、届け出を行い口座を解約するように取引規定や利用規約に記載されています。

結論としては口座を解約しました。メインバンクの一つだったので、クレジットカードの引き落とし口座から解除し(楽天カードも)、口座引き落とし設定していないか確認し解除、残高をすべて出金し、解約手続きを行いました。

楽天銀行口座取引規定

居住地国が変更になった場合や、日本以外に外国が追加された場合などは、どうすればよいですか?

住信SBI銀行:解約

住信SBI銀行も楽天銀行と同様に非居住者になったらサービスを利用できず、口座を解約することになっています。

結論としてはこちらも口座を解約しました。楽天銀行同様にメインバンクの一つだったので、クレジットカードの引き落とし口座から解除し(楽天カードも)、口座引き落とし設定していないか確認し解除、残高をすべて出金し、解約手続きを行いました。

海外に転勤することになったのですが、変更手続きはどうすればよいですか?

割愛しますが、ほかのネット専業銀行も対応としては同じです。

SMBC信託銀行:新規口座開設

SMBC信託銀行は名前自体を初めて聞く方が多いと思います。僕もそうでした。

会社を通して口座開設すると優待プログラムを受けられるとのことで新規に開設しました。口座維持手数料が無料、海外送金手数料が優遇されており三菱UFJ銀行(他行あて3,000円~)より有利と判断しました。利用機会が少なくても手数料は少ないに越したことはありません。

出国前に銀行口座に関して行ったことは以上です。海外赴任が決まった方、赴任の準備を進めている方の助けになれば幸いです。