理系出身の僕が独学40時間で日商簿記2級に合格するまで

この記事は約9分で読めます。

日商簿記3級に続いて日商簿記2級を独学40時間で取得しました。合格までの勉強方法、掛かった費用等をまとめておきます。

スポンサーリンク

前提条件

日商簿記3級を取得している

前提として簿記3級を取得していることが必要です。3級を取得しているか否かは勉強時間に大きな違いがでます。日商簿記2級は出題分野が商業簿記と工業簿記の2つに分かれており、その片方の商業簿記に関しては3級で学んだ知識の上に2級の出題範囲が追加になるので、3級の範囲を十分に理解しているかが重要です。

3級取得に関する記事は↓を参照してください。

理系である

日本の教育課程でいう理系出身の方が短時間で合格レベルまでもっていけると思っています。理由は色々ありますが、特に四則演算に慣れていることが挙げられます。簿記試験が大部分が計算問題になるので簡単な四則演算を大量にこなします。試験では電卓が使えるので優劣が出ないように思われる方もいるかもしれませんが、計算を簡略化、省略するテクニックに差が出てくると考えています。

また、2級から出題範囲に追加される工業簿記は一般的にはとっつきにくいものと言われているようですが、理系出身の方には逆に馴染みやすく理解しやすい分野です。

加えて上述した日商簿記3級取得で商業簿記のルール(仕分けや財表作成)を理解していれば驚くほど短時間で2級取得できると思います。

日商簿記2級について

先程述べましたが、日商簿記2級は範囲として商業簿記と工業簿記に大きく分かれます。3級との違いは、商業簿記は3級より範囲が広くなり、それに加えて工業簿記が追加されています。

簿記2級取得のメリット

簿記全般に言えることですが、メリットはお金の動きが理解しやすくなる点だと考えています。そして2級くらいまで合格できればそれなりに内容を理解しており、工業簿記がわかっていて原価計算もわかるレベルといえるでしょう。結果として、会社の会計数字である財務諸表がより理解できるようになります。財務諸表が理解できると、会社の方針や目標に対してどんなアクションを取ればよいのか大きな観点で理解できるようになります。

また、会社だけでなく、家計の会計、つまり家計簿についても管理が上手になります。他にもPL的な考え方、BS的な考え方が身につくため、世の中のお金の流れについて理解が深まります。細かなメリットも含めると他にも色々挙げられます。(就職、転職、異動、起業など。)

ちなみに、2ch.創設者のひろゆきさんも度々簿記の有用性を説いています。下のYOUTUBE動画はまとめ版みたいなものです。興味があれば見てください。そして僕からも一言、簿記を取れ!

独学で合格できるか

僕は日商簿記2級は独学で十分合格できる資格だと思います。試験問題の出題傾向は大きく変わらないので、応用力を試されることはなく、テキストを理解し、過去問を十分にこなせば問題なく合格できる内容です。

勉強時間とも関わりますが、自分のモチベーションを維持できないなら独学ではない方法を取ったほうが良いと考えています。

独学で試験勉強する際はテキストは必須です。簿記試験はテキストの種類・量ともの豊富なのでどれでも良いと思います。どれでも良いので1冊をしっかり理解することを優先しましょう。なのでどこのテキストがいいとかはわかりません。本屋でパラパラとめくってフィーリングが合いそうなテキストでも、ネットで評判の良いテキストでも良いと思います。あれこれ迷ってる暇があったら少しでも学習時間に当てた方が合格に近づく、そんなレベルの資格だと思います。ただ、日商簿記2級に関しては一点だけ重要な点があります。出題範囲が毎年変化することはあるので、必ず最新版のテキストを入手した方が良いです。一応僕が使ったテキストを紹介しておくと、スッキリわかるシリーズで揃えました。商業簿記1冊、工業簿記1冊、の計2冊という構成になっています。テキストの厚さだけを比較すると3級の2倍くらいになります。

勉強時間について

僕の場合は40時間の勉強で合格できましたが、ネットを調べると簿記3級の取得有無によりますが、150~300時間必要、とか書かれています。

僕の感覚としてはこんなに時間かからないと思います。僕が使ったテキストのページ数で比較すると、3級は一冊でテキスト部分(問題、回答以外の部分)が約250ページ、に対して2級は商業簿記+工業簿記合わせてテキスト部分が約500ページありました。ほぼ2倍の量になっていますが、2級の商業簿記は3級と重複している部分が多いので単純に2倍もかからないでしょう。体感になってしまいますが、3級で勉強に使った時間の1.5~2倍の勉強時間で一通り学習できると思います。

ネットで調べて出てくる勉強時間は資格学校や通信教育界のポジショントークの側面が大きいのかな、と思っています。従来の学校の授業みたいなスタイルで低速で学習すると時間かかるかもしれませんが、自分でテキスト見ながら理解している範囲と理解できていない範囲を区別しながら学習すれば150~300時間もかかりません。こんなに時間がかかるのはやり方、方法に問題あると思います。

モチベーションが保てない等、強制力が働かないと勉強できない方は通信教育などやっても良いと思いますが、むしろ意思がある方なら独学の方が効率よく、速く学習を進められると思っています。

費用

今回かかった費用をまとめるとこのようになります。内訳は独学で受験することを考えると必須のテキスト、過去問、受験料です。テキスト、過去問は中古市場、フリマアプリで探せばもう少し安くなると思います。

       項目 費用
受験料4,720円
テキスト
 (スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記)
1,540円
テキスト
 (スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記)
1,540円
過去問
 (スッキリうかる 日商簿記2級 本試験予想問題集 2021年度)
1,540円
合計9,340円

勉強方法

簿記3級を取得している前提なので、最初からテキストの学習に入っていきます。特殊なことは何もせず、テキストの理解→過去問演習を行います。全体の流れは3級と同じです。

テキスト

独学で試験勉強する際はテキストは必須です。簿記試験はテキストの種類・量ともに豊富なので迷われるかもしれません。オーソドックスな話ですが、簿記2級のテキストに関しての僕なりの見解を2点記載しておきます。

テキストはどれでも良いが最新版を入手すること

1つ目のポイントは必ず最新版のテキストを入手した方が良いです。出題範囲が毎年変化するからです。一応僕が使ったテキストを紹介しておくと、スッキリわかるシリーズで揃えました。商業簿記1冊、工業簿記1冊、の計2冊という構成になっています。テキストの厚さだけを比較すると3級の2倍くらいになります。

1冊のテキストで勉強する

2つ目のポイントは1冊のテキストを徹底的に学習することを優先しましょう。

本屋でパラパラとめくってフィーリングが合いそうなテキストでも、ネットで評判の良いテキストでも良いと思います。あれこれ迷ってる暇があったら少しでも学習時間に当てた方が合格に近づく、そんなレベルの資格だと思います。

ここでの目的は問題を解きながら出題範囲全ての内容を理解することです。「理解する」の達成基準ですが、テキストの解説を見ずに演習問題を解くことができる状態にしてください。僕は一度テキストを目で流し読んでから練習問題を解く、この流れで一章ずつ学習しました。

過去問

テキストを使って出題範囲を一通り学んだら、過去問を解いていきます。主な目的は出題範囲の理解できていない内容をあぶり出す、試験環境(時間、解くスピード)に慣れること、の2つです。上記のテキストの最後にチェックテスト(模擬試験のようなもの)がついていますが1年分しかないので足りません。過去問集を手に入れて、何年分か問題を解いて理解していない範囲をなくしていきましょう。過去問で合格点を出せるまでこれを繰り返します。

この時の注意事項はできるだけ実戦に近い形式で問題を解くことです。具体的には時間を計ること、本番用の電卓を使う等。

使った勉強時間

商業簿記と工業簿記があるので3級より勉強量が必要になりますが、僕の場合は

商業簿記15時間 + 工業簿記15時間 + 過去問10時間 = 40時間

で本番を迎えました。

受験本番と結果

準備が十分にできていれば本番や結果については特に言及することはないのですが、3級受験で慣れていたので、特に問題もなく問題を解き進められました。結果は80/100点で合格でした。

受験直後の自己採点について

各予備校が試験当日の夕方から解答速報を出してくれます。これを見れば自己採点できます。第146回のリンクは下に貼っておきます。

その他意識したことなど

全範囲まんべんなく学習すること(商業簿記、工業簿記両方)

当然のことですが、全範囲をまんべんなく学習しましょう。特に3級と比較すると2級は商業簿記と工業簿記に分かれるので、得意不得意を作ってしまいがちです。試験は出題範囲から幅広く出題されるので未学習の範囲はないようにしておきましょう。

工業簿記について

簿記3級や2級を取得する方は日本の教育制度でいう文系の方が多いのか、多くのブログ・HPには、「とっつきにくい工業簿記を後回しにしてはいけない」とか、「わかりやすい商業簿記ばかり勉強せずまんべんなく学習すること」とか書かれていますが、

工業簿記は理系出身者や、メーカ勤務の方にとってははっきり言ってめちゃくちゃ簡単です。少なくとも僕にとってはめちゃくちゃ簡単でした。得点源になるので先に勉強してさっさと終わらせた方が良いです。

本番を迎える前に

試験に関する大切な事項を列挙しておきます。

試験は6月、11月、2月の年3回実施

申し込みは試験日の約2ヶ月前から可能。試験日の1ヶ月前の月末に締め切り。

試験時間は120分。合格基準は7割以上。

本番の持ち物

  • 受験票
  • 身分証明書
  • 筆記用具(鉛筆、シャーペン、消しゴム)
  • 電卓(※関数電卓は使用不可)
  • 時計

簿記2級は全5問構成、1~3問が商業簿記、4~5問が工業簿記からの出題で、各20点ずつの配点となることがほとんどです。

電卓について

3級の方の記事でも同じことを書いているため一部割愛しますが、遅くとも本番2週間前には電卓を手に入れ、電卓を叩いて問題を解く練習をしておきましょう。これは時間管理の観点、本番環境での計算速度を確保するために必要です。

理系の人向けに一応説明しておくとここで言う電卓は一般電卓です。プログラム機能等がついている関数電卓は本番での使用が禁止されています。なので、通常の一般電卓を入手する必要があります。

電卓に求める機能としては簿記3級レベルであれば四則演算ができれば家にある一般電卓なら何でも良いと思いますが、新しく購入する場合は下の機能がついている電卓がおすすめです。

・12桁表示

・扱いやすいある程度の大きさ

・キーロールオーバー対応

・あった方が良いキー

  • 「メモリーキー(M+,M-)GTキー
  • 「00キー
  • 「桁下げ(→ or ?)キー
  • 「+/-(サインチェンジ)キー」

まとめ

理系出身の僕が独学40時間の勉強で日商簿記2級に合格した勉強方法をまとめました。特殊なことはしておらず、テキストを最初から最後までしっかり理解すれば40時間程度の勉強でも十分合格できると思います。これから独学で簿記2級取得を考えている方、理系の方で簿記2級取得を迷っている方の後押しになれば幸いです。