仕事の関係で簿記検定をとることになり、まずは日商簿記3級からチャレンジしました。結果、独学30時間で合格することができたので、僕なりの勉強方法を紹介します。ちなみに僕は理系大学卒で技術者として就職したこともあり、簿記とは全く縁のない人生を過ごしてきましたので簿記って何?状態からスタートしています。同じ境遇の方の助けとなれば幸いです。
3級取得後に2級を取得しました。日商簿記2級取得についてはこちらを参照ください。
https://ebony-ivory.tokyo/boki2/
簿記とは
まずはじめに簿記とは何なのか?を説明したいと思いますが、これは日商簿記のHPを参照した方がわかりやすいので引用させていただきます。
簿記は、企業規模の大小や業種、業態を問わずに、日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能です。
自分の言葉で書くと簿記とは資源(ヒト・モノ・カネ)を管理する技術、だと思っています。?
簿記って何の役立つの?
こちらも日商簿記のHPから引用させていただきます。
簿記を理解することによって、企業の経理事務に必要な会計知識だけではなく、財務諸表を読む力、基礎的な経営管理や分析力が身につきます。また、ビジネスの基本であるコスト感覚も身につきますので、コストを意識した仕事ができるとともに、取引先の経営状況を把握できるために、経理担当者だけではなく、全ての社会人に役立ちます。さらに、公認会計士や税理士等の国家資格を目指す方や他の資格・検定と組み合わせてキャリアアップを考えている方々にも必須の資格といえます。
僕の解釈だと簿記を理解していると企業のお金の流れがわかるようになります。 お金の流れがわかると過去の経営成績を示す財務諸表がわかります。過去を表した財務諸表を理解することでようやく将来のことが予測できるようになります。
先程僕は、簿記とは資源(ヒト・モノ・カネ)を管理する技術、だと言いましたが、過去の資源管理を整理することが財務会計、将来の資源管理に役立てることが管理会計、とつながっていきます。
簿記はそれらの基礎知識となるため、理系とか文系とか関係なくビジネスマンにとっては常識といっても良いレベルの知識です。
簿記検定について
次は簿記検定について説明しておきます。簿記検定はいくつかの団体が実施していますが、日本でメジャーなのは日本商工会議所が実施している日商簿記です。一般的に簿記○級といえばこの日商簿記のことを指します。
受験する級について
級の話ですが、日商簿記には1~4級があります。
3級の内容は、日商簿記のHPによるとビジネスパーソンに必須の基礎知識、中小企業や個人商店の経理事務に役立つレベルと書かれています。
難易度としては2級が商業高校卒業レベルであることを踏まえるとそこまで高度な内容ではありません。
費用
日商簿記3級取得にかかる費用はこのくらいです。
項目 | 費用 |
受験料 | 2,850円 |
テキスト | 1,100円 |
過去問 | 1,800円 |
合計 | 約6,000円 |
独学で合格できるか?勉強時間は?
独学で合格できます。というか日商簿記3級くらいであれば独学でやるべきです。
必要な勉強量は個人差があるためなんとも言えませんが、僕の場合は勉強期間が1ヶ月、合計時間で30時間くらいでした。
僕個人のバックグラウンドを補足説明しておくと、理系学科の大学院を卒業しており、日本人の中ではペーパーテストが得意な方だと思います。さらに簿記に求められるかんたんな四則演算を正確に行う能力は平均的には理系の人間のほうが文系の人間よりも長けているため、有利に働いているかもしれません。
合格までの勉強方法
①事前にイメージを掴む
僕の場合は簿記に関する基本的な知識や、そもそもどんなものか、といった情報が不足していたので、本格的なテキスト学習に入る前にまずはこの本で簿記の概要をつかみました。マンガを交えて簿記のことを学べるので馴染みやすいです。簿記に全く縁のなかった方、ボキって何?おいしいの?という状態の方にはおすすめ。ブックオフで50円で購入。読むまでに掛かった時間は約4時間でした。
②テキスト
上記の本を読み終わったら次はテキストに移ります。特殊なことは何もしていません。一冊のテキストをやり込むだけです。基本的な勉強の流れはテキストを読む → 問題演習で理解、となります。
ここでの目的は問題を解きながら出題範囲全ての内容を理解することです。「理解する」の達成基準ですが、テキストの解説を見ずに演習問題を解くことができる状態にしてください。僕は一度テキストを目で流し読んでから練習問題を解く、この流れで一章ずつ学習しました。
ちなみに使用したテキストはこちら↓。このテキストの内容はテキスト、問題集と、チェックテストが一回分入っていますが、簿記3級レベルであれば特にどのテキストでも問題ないと思います。大切なのは一冊のテキストをしっかり学ぶことです。②の問題演習で理解までに掛かった時間は約20時間でした。
③過去問
テキストを使って出題範囲を一通り学んだら、過去問を解いていきます。主な目的は出題範囲の理解できていない内容をあぶり出す、試験環境(時間、解くスピード)に慣れること、の2つです。上記のテキストの最後にチェックテスト(模擬試験のようなもの)がついていますが1年分しかないので足りません。過去問集を手に入れて、何年分か問題を解いて理解していない範囲をなくしていきましょう。9割くらいは正解できるようになるまで繰り返しましょう。
僕は過去問は3年分やりました。人によってはもっと解いても良いでしょうし、少なくても良いと思います。大切なことは理解していない範囲をなくすこと、環境になれることです。
もう一つの注意事項はできるだけ実戦に近い形式で問題を解くことです。具体的には時間を計ること、本番用の電卓を使う等。簿記3級は出題形式が毎年似ているので過去問を解いておくとスムーズに本番に入れます。
掛かった時間は過去問3年分で約6時間でした。
学習時間
勉強を開始してから合格までに合計で掛かった時間は約30時間でした。1日あたり1~2時間の学習を1ヶ月続けました。?
用事のある日は勉強できませんでしたし、平日は仕事後の学習だったので時間作ることに苦労しました?。
勉強時間の作り方
社会人の方だとそもそも勉強時間を確保することが難しい人もいると思います。僕のおすすめの勉強時間の作り方はカフェを使うことです。巷では有料自習室とか呼ばれている方法です。飲み物一杯のお金を払ってカフェで勉強します。飲み物一杯分の料金を払っているので勉強する気が起きます。このように集中できる環境を得ることができます。
僕の場合は自宅では誘惑が多いからか勉強できなくなっていました。公共の図書館などどこでも良いので集中かつ継続して勉強できる環境を作ることも合格への第一歩となります。
受験
僕はここまで学習をすすめた状態で受験し合格しました。結果は94/100点でした。
過去問を解いて9割くらい正解できるようになっていれば本番の環境でも困ることはないかと思います。
受験後の自己採点
各予備校から当日中に試験の回答速報が出され、自己採点を行うことができます。興味がある方はやってみてください。
第146回のリンクは下に貼っておきます。
本番を迎える前に
試験に関する大切な事項を列挙しておきます。
試験は6月、11月、2月の年3回実施
申し込みは試験日の約2ヶ月前から可能。試験日の1ヶ月前の月末に締め切り。
試験時間は120分。合格基準は7割以上。
本番の持ち物
- 受験票
- 身分証明書
- 筆記用具(鉛筆、シャーペン、消しゴム)
- 電卓(※関数電卓は使用不可)
- 時計
電卓について
遅くとも本番2週間前には電卓を手に入れ、電卓を叩いて問題を解く練習をしておきましょう。これは時間管理の観点、本番環境での計算速度を確保するために必要です。
と言うのも僕は試験本番3日前に電卓を購入しました。そこから過去問を解きながら電卓を使い始めたわけですが、問題を解くスピードが劇的に改善しました。
テキストの問題はがんばれば暗算で計算できるものがほとんどなので電卓を使うことを怠りがちで、最悪スマホの電卓機能で計算していました。ここまで解くスピードが早くなるならもっと最初から使って慣れておけば良いと後悔しました。
理系の人向けに一応説明しておくとここで言う電卓は一般電卓です。プログラム機能等がついている関数電卓は本番での使用が禁止されています。なので、通常の一般電卓を入手する必要があります。
電卓に求める機能としては簿記3級レベルであれば四則演算ができれば家にある一般電卓なら何でも良いと思いますが、新しく購入する場合は下の機能がついている電卓がおすすめです。
12桁表示
扱いやすいある程度の大きさ
キーロールオーバー対応
あった方が良いキー
- 「メモリーキー(M+,M-)GTキー」
- 「00キー」
- 「桁下げ(→ or ?)キー」
- 「+/-(サインチェンジ)キー」
まとめ
1ヶ月30時間の独学勉強で簿記3級を取得した際の勉強方法をまとめました。
1冊のテキスト、過去問演習をいかに集中して実施し、わからない部分を無くすことができるか、が合格への近道だと思います。社会人の方は時間の作り方も難しくなってきます。参考になれば幸いです。