はじめに
タイムラプス動画作成にRAW現像が必要なのか?ということでタイムラプス動画の素材となる静止画を①RAW現像画像を使うか、②JPEG撮って出し画像を使うかでどう変わるか確認してみました。
最近のカメラではタイムラプス動画を作る機能がついており大量の静止画を動画編集ソフトでつなげてタイムラプス動画を作成する必要がなくなりましたが、映像表現を広げるためにはまだまだRAW現像が必要な状況です。今回はこのRAW現像によって動画がどのくらい変わるのか確認してみました。
結論
最初に結論として15秒程度の比較動画にしたので見てください。(2分割しているので鑑賞環境によっては小さくて見づらいかもしれません。単体動画は下の方に動画を載せています。)
動画内では
左:JPEG撮って出し画像を使ったタイムラプス動画
右:RAW現像画像を使ったタイムラプス動画
としています。左右の動画を見比べていただければ差は一目瞭然だと思います。
RAW現像をする大きなメリットは映像表現が豊かにできる点だと思います。今回の例ではビル群(暗部)のディティール(詳細)が蘇り、空(明部)のグラデーションが豊かになります。
表現の幅を広げる、作成者の意図を反映するためには残念ながらまだまだRAW現像は必要だと考えます。
前提条件/撮影条件
タイムラプス撮影をRAW+JPEGで静止画を取得し、①JPEG撮って出し画像をそのまま動画にしたものと、②RAW現像画像を動画にしたものを比較しました。その際の条件を列記しておきます。
撮影場所、時間、天候
- 天王洲
- 2021年1月 06:00~07:30
- 晴れ
場所はどこでも良いのですが、朝焼けの時間帯にしました。手前のビルは光が当たらず暗く、空は段々と明るくなっていくシチュエーションです。
使用機材
- カメラ:Nikon Z 6
- レンズ:NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
- 三脚:Manfrotto befree GT MKBFRTC4GT-BH
機材は僕がいつも使っているセットです。
タイムラプス撮影条件
- インターバルタイマー撮影機能使用
- 撮影間隔:8秒
- 露出優先モード(A)
- F値:f/8.0
- ISO感度:100
詳細な撮影条件は別記事に書いているのでそちらを参照ください。
撮って出しJPEGからタイムラプス動画を作成
まずは撮って出しのJPEG画像をそのまま動画にしました。トリミング、リサイズを行っていないので動画の左右が切れていますがご容赦ください。(カメラ画像は縦横比が3:2ですが、Youtube動画は16:9なのでそのまま動画にすると左右が切れてしまいます。)
真ん中のビル群が暗く、空が明るいシチュエーションなので静止画としてもJPEG撮って出しではディティールを残すのが難しいです。空のグラデーションが主役になる予定でしたが、終盤白飛びしています。
RAW現像して動画
今度はRAW現像画像を動画にしました。現像過程で縦横比を16:9にし、Youtube用のサイズにしています。
変化点としては主役の空のグラデーションが豊かになり、真ん中のビルのディティールが空が明るくなり始める前からくっきり見えるようになりました。
まとめ
RAW現像をする大きなメリットは階調表現が豊かにできる点だと思います。ビル群(暗部)のディティール(詳細)が蘇り、空(明部)のグラデーションが豊かになります。映像表現の幅を広げる、作成者の意図を反映するためには残念ながらまだまだRAW現像は必要だと考えます。